プレミアムバンダイ デジタルモンスター ART BOOK 押井守監督作品「天使のたまご」の素材を元に構成。オリジナルイラスト、フィルムメイキングなどを収録。「イノセンス」公開を記念して復刊。86年刊に、天野喜孝のイメージボードを80ページ加えた増補改訂版。あらすじ作品の性質上、憶測が含まれている可能性もあります。ノアの方舟が陸地を見つけられなかったもう1つの世界。巨大な眼球を模し、中に複数の人型の彫像が鎮座する宗教の象徴のような機械仕掛けの太陽が海に沈み、世界は夜を迎える。方舟の中の動物がすべて化石になった頃、忘れ去られた街で一人の少年と一人の少女が出会う。少女は思い出せないくらい昔からそこにいて卵を抱いている。それが「天使のたまご」だと信じて。少年は少女に言う。「卵というのは、割ってみなくては中に何が入っているのか分からないのだよ」と。夜ごとに、忘れ去られた街では魚の影が現れ、影を狩るために漁師たちが銛を打つ。そして激しい雨が街を水没させる。少年が「鳥を知ってるよ」という少女に連れられて見たものは羽の生えた人間を模した天使の骸骨の化石だった。少女はこの天使を孵すために卵をあたためているのだと言う。少女が深い眠りについている時、眠れない少年は卵を打ち砕いて、彼女の元を去った。その事に気づいた少女は去っていく少年を追う。だが、途中で地面の裂け目に気づかず、水を湛えたその裂け目の中へ真っ逆さまに墜落してゆく。まるで水に映ったもう一人の自分と出会うようにして。海岸でまた一人になった少年は海を見つめる。再び世界が朝を迎え、海から太陽が上がる。その中に新しい彫像があった。卵を抱いた少女のものであった。少年は、いつまでも少女の彫像を見上げるのだった。空を見上げる少年を上から見る映像。その映像はどんどん引いていき、最後に少年の立っている海岸、世界の形が明かされる。世界が巨大な方舟であることが明らかになり、物語は幕を閉じる。天使のたまご押井守天野喜孝宮崎駿鈴木敏夫徳間康快山下辰巳尾形英夫小林七郎貞本義行名倉 靖博森木 靖泰菅野 由弘三浦光紀和田豊小林正夫長谷川洋森田清次杉村 重郎根津甚八兵藤まこスタジオディーンジブリスタジオジブリ